第九十六話「ジオラマ・デイズ」

今年はジオラマの当り年。広告表現の流行ではないかと思わせる位、使用頻度が高い。そもそも「ジオラマ」なんて言葉、かつては一般的には知られていなかっただろう。今ではその意味を知らない人はほとんどいないね。もともとは幻視画という名前で呼ばれ、明治中期に流行したらしい。近年ではタミヤや鉄道模型で再び知られるようになり、ガンプラで確固たる地位を築いた、いまやグローバルスタンダードな錯視技法なのである。

その表現技法が今、大流行り。理由のひとつはズバリ「ロケに行ったり、実物大のセットを組む予算がない」。間違いナイ! コウなったら不景気なうちに、作り込んでおけ! レッツ・ジオラマ! ゴゥゴゥ!
100体近くの人形を整理整頓! 抜け目なく管理せよ! 今回はノートパソコンのグラフィック広告だ。



ライティングで雲の影を表現。まずは大モノの位置を決めて、ザックリ撮っていきましょう。



ステージのベースが出来てきたら、あとは人形でストーリーを作る! なかなか奥が深いゾ。



トヨタ・シエンタの写真広告用ジオラマ。もうCMは見たかな? CMの美術をグラフィックに使い回すことはほとんどナイ。写真用に新規制作するのダ。



さっきのノートパソコン広告でも活躍した鉄道模型HOゲージ用の人形。6体2,000円〜3,000円! 高い!



もちろん実車も撮影。ジオラマに合わせて距離やパースを計算。矛盾しないように気をつけろ!




今年から導入したスタイロカッターが大活躍。ソニーの電子辞書広告では無数の建築模型を制作ダ〜! 数が多いものは美術くんナシでは進められない。美術くん、シュ〜ゴ〜!



脳をフル回転させてできるだけバリエーション豊富に建物をデザイン! 1週間しか時間がないので、スケッチを描いたり図面を引いたり、そんな余裕はナイ! 感覚で!



スタイロにモールドを追加したり、ラッカースプレーで溶かしたり… オォ! いいんじゃないの! 看板は出力の貼付けや、ハンコ屋さん21に発注したものも。立体文字は手作業が難しいからネ。



これはフジテレビ「NONFIX」というドキュメンタリー番組のための小道具。こんなザックリでいいのかいな〜…? どんな風に撮られているか、放送が楽しみだゾ!



今度は陸上競技場のジオラマ。本物の陸上競技場で撮らないの?という疑問はさておき、問題は数。ミニチュアハードル40個! どどどうしよう〜〜と泣いていたら美術くんが助けてくれました。



型取りしたパーツを組み立てて、いよいよ塗装! 汚しも少々。



キョーレツなライトでガッチリライティング! ア、暑い!



チョウ気持ちイイ! これは確かにホンモノの陸上競技場では無理かな… 



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